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楽園は身近に

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校外研修で地元和紙を使ってランプを作っているS先生のワークショップのアシスタントをすることになった。
自分は人に美術を教えるには工芸的なことが弱いので、陶芸とか和紙とかを学ぼうと思っていたのに、コロナ禍で全てがなくなりそうな勢い(陶芸も別の先生に教わる予定)。
まぁ、命には何物も変えられないから仕方がないことなんだけど、すごいタイミング・・・。
人によるのだろうけど、私は勉強する時は一気に集中してやる派なので、こんな中断しながらダラダラするのは合わない。
さかもと未明が「まさか発達障害だったなんて」(星野仁彦と共著)で仕事をやる時は一気にやるって言ってたけど、過集中する人はその方が合っているらしい。
トトロでお父さんが論文を書いてる横でメイが「お父さん、お花屋さんね」とチョロチョロ遊びに来るんだけど、学者で(メイのお父さんは大学教授)そんな仕事の仕方できる人なんていないと思う。
私も家族がいる時は気が散るから制作しないもの。
仕事や勉強だけでなく、過集中は感情もあるらしく、例えば怒りとか悲しみとかそういうネガティブなものに集中してしまい苦しむということもある(と臨床心理士の人が言ってた)。
冷静に考えられない時はそういう感情を手放してしまうしかないんだけど、それができないから(発達障がいのある人はストレス耐性もないし)、苦労するんだと思う。
ただ、悔しかったことは悔しかったことで返すしかない。
やられた相手にやり返すとかではなく、悔しいと思ったら次結果を出せばいい。
ルサンチマンは健全に昇華するのがよろしい。
一番面倒臭いのは、こっち正当なことを言っていても、裏から手を回して自分の都合がいいように持って行く奴とか、やっかみで悪口言いふらす奴とか、マウンティングしてくる奴とか、そういうのはどうしようもないので「かわいそうな人だ」と思うしかないのだけど。
そういう奴って自分が都合がいいように話を作るし、平気で嘘つくから性質悪いんだよな。
閑話休題。
S先生の和紙灯り作りは「地上の楽園」で放送され、全国からやってみたいという人が殺到したり、ワークショップの依頼があったらしい。
S先生は元々作家活動をされていた人ではなく、学校の先生で(教科も美術でもなく)校長先生を退職した後、山ノ内さんの青谷和紙を使ったランプを見て「自分も作ってみたい!」と思って始めたらしい。
定年退職後に自分の工房を持って制作をして、時々ふらりと「教えてください」って人が来て、人との交流もあり、自分が夢中になれることもあり、ささやかな収入もあり、すごく健康的で理想的な老後ではないか、と思った。
正に、地上の楽園(笑)
過集中の癖がない人でも「何かに夢中になる」という時間は脳をフロー状態にする効果があり、ストレス解消に役立つ。
山ノ内さんのランプはもう少し上品な感じで旅館とかに卸しているけど、S先生の作品は蔦のフレームがアールヌーボーっぽくていかにも奥様が好きそうな感じで、良い意味でおかんアートに近い親しみを感じる。
そこがきっとみんなに愛されるポイントなんだと思う。
江戸時代、和紙漉きの技術は藩から出してはいけないものだったが、青谷の鈴木弥平が流浪している美濃の弥吉という者を助けたところ、弥吉から紙漉きの技術を教わる。(参考文献・「江戸の想像力」田中優子)
青谷和紙は人助けによってもたされた山陰の宝なのである。

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