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SNSの罠。

これだけみんながFacebookだのツイッターだのをやっているのに私の周りの友人知人は「やらない派」が多い。
私の親なんかはわからないからやらないのだけど、そうじゃなくて何か理由があって「私はこういったものはやらん!」と決めている人が2~3割いる。
私も以前は登録したものの放置していたのだが、鳥取に帰ってから使うようになった。
最初は自分の作家活動の宣伝の為に使おうと思っていたのだが、完全に友人知人とのコミュニケーション手段として使いだした。
そして、あっという間に依存した。
休日に友だちと映画に行って、カフェでお茶したい・・・
仕事帰りにフィットネスクラブに行きたい・・・
綺麗な工房で楽しく制作したい・・・
今まで叶えられていた生活が遠い世界になってしまった。
「あれが嫌だこれが嫌だと言っていても仕方がない」と思うようになったのはここ1、2年である。
適応能力が低いのだろうか・・・?
で、その適応できてない間はスマホ依存症になり、SNSで友人知人の動向を見て、そっちの世界にいる自分がほんとうの自分だと思っていた。
現実逃避というか、現実のすり替え?

今、育児をしたり家事をしたり、その合間にちょっとだけ制作をしたりしているけど、その間ずっとスマホやタブレットを持ち歩いている。
子どもができてから本が読めなくなったなぁと思っていたが、本を読んでいた時間がスマホを見る時間に代わっているのだった・・・!
ほんとうに怖い。
何でもネットで調べられる時代になる前から、割と調べたがりだったし、情報を沢山得てから臨むのが安心だった。
そして、今や調べなくても毎日毎日ニュースや友人知人の動向が知れる。
(ついでに思い出したくない人まで出てくる)
画材から食料品まで何でも買い物もできちゃう。
家にいながら世界を把握でき、世界中の物が買い物できて、自分探しの旅に出なくても素晴らしい人の意見を知って刺激を受けることができる。
勿論、こちらから作ったり、発信したりすることもできる。
ただ、不思議なことに時間潰しにはなっても、記憶には残らない。
人間労をせず得たものは(知識もお金も)身につかないものだ。

生まれました。

はい、ドーン!

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(裸に見えますが、薄いピンクのロンパースを着ています)
一ヶ月前に子どもを産みました。
常に機嫌が悪そうな顔をしている子どもで(この写真はまだマシな方)、夫にも「眉間の皺はデフォルト(初期設定)」と言われています。
私は密かにおなかにいる時のストレスの所為なのではないか、と思っていますが・・・。
妊娠中、母親がストレスにさらされているとコルチゾールというホルモンが分泌されて、子どもに母親のイライラが伝わり、おなかの中で身をすくめているそうです。
そこで、漫画の紹介です。
「ママだって、人間」(田房永子)
出産前に読んだので、予習になった。
年が近い著者の妊娠→出産→子育て漫画で、かなりリアルに感じた。
「この間まで焼肉食べてたのに、桃一切れしか食べられない・・・」とか(私は食べない方が具合が悪くなったので、絶えず物を食べていて、最終的に17kgも太った)、出産が山登りみたいで楽しいとか、自分で産んでおきながら「どうしよう、大変なものを産んでしまった・・・」と不安になったり、私だけじゃないんだな、と勇気を貰った。
特に、出産が痛くないという風に描写されていたので、出産自体を楽観視するようになったけれど、そこだけは嘘でした。
嘘というか、個人差?
私は破水してから産まれるのに33時間もかかって、陣痛に耐えてる時間が長かったので、「マジでムリ!!産むのやめる!!」って感じでした。
1ヶ月違いで子どもを産んだ同級生は陣痛がきてから、病院に行ったら2時間で産まれたらしいし、お産は人それぞれです。
生まれたら、クライマーズハイみたいになって痛かったのを忘れたけど。
というか、私は生まれた子を見るまで自分の中にとんでもない化け物が入っているんじゃないか、と思っていて、ものすごく不安でネットで障がいやら奇形やら、更には凶悪事件やら調べて、一人不安に駆られていた。
講習で染色体異常やら、育児ストレスで母親にバットで殴られた赤ちゃんの話やら、無脳症の話を散々聴いていたり、羊水検査をするように言われたり(結局しなかったけど)して、親に「子どもが楽しみだ」と言われても「この中にはとんでもないものが入っているかもしれないのに、何を呑気なことを言っているんだ」と思うようにまでなっていた。
だから、出てきた子どもを見て「ほんとに人間が入ってたんだ~」と安心した。

もう一つ。
「ダーリンは70歳」(西原理恵子)
短期間で重版がかかって、話題になっているらしい。
誰が70歳かというと西原理恵子の今の彼氏、美容整形外科医の高須先生が70歳で、50歳と70歳のカップルの話(お互いの伴侶には先立たれている)
あの鴨ちゃんの次が何故、高須先生なのだろう・・・と思ったが、元々高須先生が西原さんのファンでファンレターを書いていたらしい。
ファンレターって・・・
高須先生ならあらゆるツテを辿れば、好きな漫画家ぐらい紹介してもらえるだろうに。
しかも、好きな漫画家が大島弓子や萩尾望都じゃなくて西原理恵子っていうところに高須先生独特の感性を感じる。
高須先生は昭和大の医学部を出ているのだが、そこ出身の女医さんが「本気で医者と結婚しようとしている薬学部や看護学部の生徒には敵わない」と言っているのが描かれていたが(医学部は勉強が忙しいので、薬学部や看護学部の女子の方が女子力が上)、私の夫の従兄がそこの薬学部卒で「薬学部って女の子が多いんでしょ?」と訊いたら「親に医学部の男を捕まえて来いって言われてる女子ばっかでさ~」と言っていたのを思い出した。
実際、そんなことが世間では行われているとは知らなかった。
西原さんの場合・・・
20歳の西原理恵子は頑張ってやっとそれなりの美大に受かり、働かない男と同棲。
そして、今の西原さん(50歳)が現れて「死ねや、私ー!」と言って、20歳の自分を斬る。
西原さんは言う「本気で最良物件つかむ気なら、婚活は18歳から全力疾走。己の持っているものを全て使うべし!」
私も20歳の自分に会えたら、同じことを言うと思う。
娘にはよーく言って聞かせないと。
間違っても、売れない小説家とか劇団員とかアーティスト志望のフリーターとかとつき合わないように。

わたし ひらいて

グループ展のお知らせです。

以前、展示をさせていただいた倉吉市の白壁土蔵群の中にあるアートミュージアム無心で女性5人の展示に出品しています。
前回、展示させていただいた時に出品したものとは違う作品を出していますので、前回ご覧になった方も是非ご覧くださいませ。
1階は福祉施設で制作を続けられている方3名で、2階は徳岡さんという女性と私の作品、という構成になっている大変面白い展示内容です。
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場所・倉吉市魚町2540-2
レストラン白壁倶楽部すぐ後ろ
http://www.k-mushin.com/

日時・4月8日(金)~5月15日(日)
10:00~16:00
休館日・火曜日、水曜日
観覧無料

楕円の夢

大山のジュピタリアンヒルの中にある木星ドームで行われた寺尾紗穂さんのライブに行ってきました!
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印象としては大貫妙子さんのような、懐かしいような新しいような雰囲気の歌でした。
すいません、あんまりよく知らずに行きました・・・。
実は、この前の週に結婚式があり(自分の)その時、山ノ内さんに「お祝いに招待しますよ」とこのライブのことを言われたのです。
どんな人だろうと調べもせず、なんとなく面白そうだと思って行きました。
行って良かった!
寺尾さんは少女のような方でした。
しかし、家に帰ってから、調べたら意外と年が近いことがわかり、あと、色々と著作もあり意外と社会派な一面もあるのだと知りました。
現在、全国ツアー中だそうですが、野外ライブは今回が初めてだったそうです。
木星ドーム自体がとても面白い場所なので、他のミュージシャンもここでライブやらないのかな、と勝手に期待しています。

自分の結婚式があった、と書きましたが、その際にロビーに山ノ内さんの作品も展示していただきました。
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自分の作品も勿論展示しました。
いつかコラボしたいな、と思っていた方なので、図らずもコラボっぽくなって良かったです。
今年は結婚により生活が激変し、制作と発表が殆どできていないので、1日限りですが展示ができて良かったです。

寺尾紗穂オフィシャルウェブサイト
http://www.sahoterao.com/#

 

両方、知ってる感覚。

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ちいさな、あかり」というドキュメンタリー映画を旧仲倉医院で野外上映していたので観に行ってきました。

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旧仲倉医院ではアーティスト・イン・レジデンスを行っているそうです。
その話は後で詳しく書くとして・・・今年は「ちいさな、あかり」の監督・大野さんがこちらに住んで制作されるそうです。
その第一弾として、この上映会があったようです。
観た後、監督とお話をしよう、という会が持たれたのですが、その時、地元の自治会長とかやってそうなジイサンが「こんなもん、その辺の奥に行けばフツーだぁ!」と言っておられて、大変素直な感想だな、と思いました。
「ちいさな、あかり」という映画は静岡県の限界集落の日常を映したもので、田舎の素朴なバアちゃんの言動にみな、ほっこりしたり、くすくす笑ったりして観る感じの映画でした。
ですが、私もみんなが笑っている場面で笑えなくて、その正直ジイサンと同じ感想を持って観ていました。
だけど、それを言ったら作り手に失礼かな、と思い、誰もその率直な感想を言わなかったんだと思います。
大野監督は若いのにしっかりした方で「貴重なご意見ありがとうございます」と述べた上で、自分は外から入って映画を撮るにあたって、自分の考えをなるべく入れないようにしようと思った、と言われていました。
要するに、監督がその土地に愛を感じても、「こんな田舎なんて」と否定的な目を持っても、それを作品にねじ込まないようにしよう、ということだと思います。
だから、あるがままの姿が撮影された記録としての側面も持った映画になっているのだと感じました。
ただ、ほんとに田舎でこの映画を観ると、周りの人がくすくす笑ってるのとかにもの凄く違和感を覚えました。
「あんたら、バアちゃんらの生活、バカにしてんのか?」と。
2、3年、実家に帰ってない状態でユーロスペースで観たら、私も笑ってる側になっていたかもしれません。
東京出身で田舎はどこにもないという人が観ると新鮮なのかな・・・。
私は田舎でも都会でも生きていくことは大変だと知っているし、それぞれいい部分と悪い部分も中に入ってどっぷりと見たので、こんな所が日本中にいっぱいあるんだろうな、と思って観ていました。

現在、鳥取藝住祭というのをやっており、アーティストを迎えてその土地で半年ぐらい暮らしてもらって作品を作ってもらおう、というアーティスト・イン・レジデンスの取り組みを行っています。
私は去年ぐらいに知って、その作品を観に行ったり、報告会を聴きに行ったりしたのですが、まだ始まったばかりで、これからだ、という印象を抱きました。
こんな小娘に偉そうなことを言われたくないでしょうけど・・・。
私の印象としては、場所も点在していて、やっていることもバラバラなので、誰かまとめたらどうかね、という感じでした。
あと、こういうことをやると必ず出てくる意見として「地元のアーティストは使わんのかい」という自己主張の強いオッサン(いや、オッサンに限らないのですが)の・・・要するに「オレを売り出せ」的な話です。
そういう話もチラホラ聞いたりもしました。
うーん・・・、それは地元アーティストが大したことないっていう理由と、基本的に鳥取県民は鳥取県民をバカにしているから地元の人なんか使いたくないんだと思うんですよね。
色んなコネを使ってゴリ押しして「オレって凄いんだぜ!」と田舎でいい気になっている人もいるので(そういう人はアーティストに限らずどこの業界にもいるんですけど)、そういうのに県民が辟易してしまっている、だから、外から呼ぶ。
外から呼んだ人はこの土地に愛着もなければ、単なる旅人みたいなものだから、成果を挙げようが挙げまいが、期間が過ぎたら、さっさとその土地を出る・・・ということの繰り返しにならないのかな、と思いました。
じゃあ、お前ならどうする、と言われそうですが・・・私ならマンガ博とかに使った莫大なお金をこっちに使って、世界的に有名な現代美術の作家の作品を買って、永久的に展示する。
もしくは、その場で作らせてずっと展示する。
愛好家というのはそれが地の果てであろうと、探して観に来るものだから、そういう人に観光してもらう、とか・・・作品をレンタルするとか祭りで一時的に展示するとかじゃなくて、もう買ってしまえ、と思うんだけど(保存するのが大変いう問題が出てくるが)
まぁ、あときちんとしたアートディレクターを置いて指揮してもらうとかしないと中途半端なままではないのかな、と思うんだけど。
折角、やり始めたんだから内輪で楽しんでいるだけじゃなくて、県外からも観光に来てもらえるぐらいに盛り上がらないとつまんないよね、と思いました。
傍から見て。

英語版が出ました。

5年前に装丁に使っていただいた本の英語版が出版されることになりました。
英語版はマットなカバー紙が使われており、作品の雰囲気ととても合っています。
勿論、本の内容とも合っていますよ(笑)
装丁のデザインは予備校の時の友人がやってくれました。
というか、その友人が当時、私が住んでいた国分寺のアパートにぶらりと遊びに来て(その子は実家が国分寺だった)、本の装丁に使う絵を探してるんだけど、と言われて、こういう話に発展したのです。
ありがたいことです。
持つべきものは友ですね。

スローライフの光と影

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ついにプレス機を手に入れました!
私はプレス機を持たず、大学を出てから7年ぐらい新宿の工房に通っていて、実家に帰ってからは2年半ぐらい鳥取の工房に通って制作をしていました。
東京にいた時は1Kに住んでいたので、置く場所がないし、下がコンクリでないと床が抜けると聞いたので買うのに躊躇していました。
というか、買う気になれませんでした。
仕事があり作家一本に絞れないので、「趣味程度に続けられたらいい」と諦めていたのもあります。
それに、何十万という物を購入して維持していくよりは工房に通って、色んな人がいる中で制作する方が楽しいですよね。
しかし!デメリットもあります。
こんなことを言っては何ですが、工房は主催者のカラーがあります。
私は今まで2つの工房を利用させていただいたのですが、どちらも自宅から1時間ぐらいの場所にありました。
往復2時間かけ通い、工房利用代を毎月支払って、工房のカラーに染まるというのは、どうも自分には合っていないように感じました(実際、染まっていないし)
習い事として、お茶やお華は習ったお教室の流派になる、というならまだわかるのですが、絵って本来自由なものじゃないですか。
他人に自分のカラーを押しつけて、洗脳して門下生にするのはどうかと思うんですよね(何も知らない若い人の場合、人生を食われて潰されてしまいます)
私の場合、技法は既に大学で一通りやっているから、特に習うこともなく、ただ作品を作る設備として通っていたのです。
それなのに、利用されたり、お金を盛って請求されたり、鬱憤晴らしに貶められたりするのは割に合わないですよね。
そんな人の一味だと思われると、自分が損をしてしまいます。
東京だと人と距離を取ることが簡単でも、田舎ではそうはいきません。
関わりたくない人ともずっと関わらなくてはいけません。
全然親しくない近所のオバサンにズケズケと「まだ結婚してないの?」と訊かれ、内心は「はぁ?」と思っていても、笑顔で「ご縁がなくて~」とかわしたら、翌日には言いふらされています。
↑これはまだマシな例えで、もっとひどいことは沢山あります。
みんな、デリカシーがなさすぎるんですよね。
いきなり、マジック持ってきて似顔絵描いてと言ってきたり。
しかも、そういうことを「あなたの才能を生かしてあげてるの!ほら、嬉しいでしょ」みたいな雰囲気でやってくるんですよ・・・。
スローライフだのロハスだの恰好いいことを言ってみても、田舎の人間関係に耐えてこそのカントリー娘なのです(意味不明。いや、なんとなく言いたいことはわかりますよね?)
Uターンして、カントリー娘になった私ですが、田舎の工房はちょっと無理でした。
プレス機を手に入れた喜びを書こうと思っていたのに、田舎の人間関係の愚痴になってしまいました。
しかし、プレス機が置ける場所が見つかるのは田舎暮らしのいい所ですよね。
プレス機は千葉にお住いの素敵な作家さんから安く譲っていただきました。
そんな長い旅をしてきたプレス機でいただいた方に恥じぬよう沢山刷ろうと思います!

美のミューズ

去年、応募していたスペインのカダケス国際版画展に入選していて、カタログが送られてきました。

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カダケスはサルバドール・ダリがガラと晩年に過ごした場所です。
ダリが過ごした屋根の上に卵が乗っている家は当時のまま残されているそうです。
ガラはダリにとって、創作のインスピレーションを与えてくれる女神であり、生活を管理してくれるパートナーでもありました。
子どものようなアーティストの手綱を引いて、才能を開花させる手助けをするなんて、凄いですよね。
そういう女性が欲しい、と思っている男の人って多いかもしれません。ミュージシャンとか。
まぁ、ダリぐらい才能がないと誰もついて行けないと思うけど・・・。
ダリはそれぐらい天才なんだと思います。

私は浪人中に大規模なダリ展で初期から作品を観て「この人が同じ予備校にいたら、全員潰される」と思いました。
芸大で、同級生に一人ズバ抜けて才能がある人がいると、周りの生徒がやる気をなくして学校に来なくなったりする、という話を聞いた所為かもしれません。
そういう人って、「自分よりデッサンがうまい」というレベルではなく(描けて当たり前の世界なので)、作家として既にもう確立されているような気がします。
ダリの作品はそんなに好みじゃないんですが、それでも圧倒されました。
それは偏執狂的に徹底描写されているのと「一度観たら忘れられない」というインパクトの強さによるものかもしれません。
「アンダルシアの犬」というトラウマをテーマにした映像作品も観たのですが、19の時に観て、未だにトラウマです。
おそるべし、ダリ。

mini print internacional de cadaques

尾崎翠という人がいた。

今、鳥取出身の小説家といえば、ラノベ出身で、その後、直木賞を受賞した桜庭一樹さんがいらっしゃいます。
「私の男」が二階堂ふみ×浅野忠信で映画化されてましたね。
近親相姦がテーマだったり、作品はゴシックっぽいイメージですが、桜庭さんは小柄な着物が似合う女性です。
どこかで(Wikiかな?)文壇一の美少女と書かれていましたが、どことなく古本屋のカンナちゃんに似ていて、親近感が沸きます。
山陰の女は蓮佛美沙子系の顔が多いですよね。
フランス人形みたいな女の子もかわいいと思いますが、控えめそうだけど、実は芯の強そうな山陰の女性の顔も素敵です。

桜庭さんの一昔前、文学に憧れながら、鳥取でひっそりと亡くなっていった女流作家がいます。
それが尾崎翠という人です。
寡作なのですが、それは鳥取に連れ戻されて以降、文筆活動を殆どしていないからです。
今のように作家が地方にいて、パソコンで編集者にデータを送って、スカイプでダメ出しをされるような(いや、知りませんけどね、詳しいことは)ことはできなかったのです。
体を壊して、東京から鳥取に帰ってきたかつての少女は文章を書くこと以外に何もキャリアを積み上げてこなかった・・・文学仲間も鳥取にはいない、薹が立っていたので、嫁にいくという選択肢もなかった。
「私が今まで頑張ってきたことは全て無駄だったのだろうか・・・?」
翠の気持ちがよくわかる!!
黄砂に吹かれて、いっそ私も消え去りたい!!
・・・いや、翠はそんなこと言ってませんけどね(笑)

尾崎翠は鳥取県出身の小説家なのですが、「新潮」に小説が載ってしまい、大学中退を余儀なくされます(当時は女が小説を書いて発表することははしたないことであった)
その後、戯曲「アップルパイの午後」、小説「第七官界放浪」などを発表し、短編「こほろぎ娘」が太宰治の目にとまります。
しかし、その頃、激しい偏頭痛に悩まされていた翠は当時の質の悪い頭痛薬を飲み続け、幻覚が見えるようになっていきます。
その様子を傍で見ていた年下の同志から翠の長兄に連絡が入り、鳥取から翠を連れ戻しに来た長兄は「10才も年下の男に迷惑をかけるなんてけしからん!」と怒り、鳥取に連れ戻します。
鳥取に戻った翠は甥や姪の世話をしながら、もう二度と長編小説を書くことなく、「このまま死ぬのなら、むごいものだね・・・」と言って亡くなりました。
鳥取に帰って以降の翠の晩年は「生きる屍」と言われていたそうです。

【結論】
時代が悪い(笑)!
翠の悲しい人生を現代に置き換えて比較してみましょう。まず・・・
比較①/今、大学在学中に「新潮」でデビューしても、除籍になることはない。
比較②/今、幻覚が見えるような危ない頭痛薬は売ってない。
比較③/今、文学仲間の10コ下の男と同棲したところで、鳥取のお兄ちゃんに叱り飛ばされることはない。むしろ、女の方が先に有名になってて、仕事の依頼も多いなら「その男に利用されていないか?その若い男はヒモなんじゃないのか?」と心配される。
比較④/今、鳥取に帰ってもパソコンで編集者とやり取りできる。昔は顔が見える距離にいないと人を育てられない、と思っていたかもしれないが、今は海外で小説や漫画を描いて日本の出版社から本を出版する人だっている。

こうやって比較してみると、「生まれてくる時代と場所が良ければ、尾崎翠は感性を潰されずにもっと作品を生み出せたのではないか」と思います。
神田の岩波ホールで10年以上前に尾崎翠の人生を描いた「第七官界放浪」という映画が上映されていました。
第七官界放浪の主人公を柳美里の妹が演じ、尾崎翠役は白石加代子さんでした。
口角が常に上がっている強そうな白石さんが演じることによって、昔の芯の強い女性に感じられ、不思議と後味は清々しい映画でした。

あれ?
今日は松崎にあるドミトリーたみ の紹介をしようと思ったのに・・・。
以前、たみで行われていたイベント「尾崎翠ナイト」に絡めて書こうとして、結局、尾崎翠のことばかり書いてしまいました。(正確なイベント名は忘れました。間違っていたら、ごめんなさい)
ドミトリーたみでは撮影禁止なので、どのような外観かはHPで見てください(元国鉄職員の寮をリノベーションしたドミトリー&カフェ)
まるで、尾崎翠がいそうな雰囲気のドミトリー&カフェでした。
UKBU.LLC
↑こちらのHPでたみでの今後イベントを知ることができます。

ちなみに、私は旅経験0の知人を「安くて面白い宿があるよ~」と気軽なノリでたみに宿泊させました・・・。
行ってから、気づいたのですが、アジアをバックパックを背負って旅した人ならまだしも、旅経験0の知人に鳥取のドミトリーはハードルが高すぎたかもしれません。
鳥取にはチベットやブータンに来るような感覚で来ると楽しめるかと思います。

時々、鳥取市のカルンというカフェの店主もイベントで参加されていたことがありました。
カルンの店主は中野のカルマで働かれていたそうで、カルンに何故か私の予備校時代の知り合いの作品が置いてあり、びっくりしました。
そちらも是非、鳥取市にお立ち寄りの際にはどうぞ。

はじめ展㏌京都

銀座の枝香庵さんで先日、参加させていただいた「はじめ展」ですが、京都でもおこなわれます。

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場所・京都市下京区四条室町角鶏鉾町478 ちいさいおうち

日時・1月20日(火)~2月1日(日)※26日は休廊
11:00~18:00(最終日17:00)

http://motoaki.jimdo.com/

お近くにご用事があれば、是非お立ち寄りください。