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Archive: 2015年03月

スローライフの光と影

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ついにプレス機を手に入れました!
私はプレス機を持たず、大学を出てから7年ぐらい新宿の工房に通っていて、実家に帰ってからは2年半ぐらい鳥取の工房に通って制作をしていました。
東京にいた時は1Kに住んでいたので、置く場所がないし、下がコンクリでないと床が抜けると聞いたので買うのに躊躇していました。
というか、買う気になれませんでした。
仕事があり作家一本に絞れないので、「趣味程度に続けられたらいい」と諦めていたのもあります。
それに、何十万という物を購入して維持していくよりは工房に通って、色んな人がいる中で制作する方が楽しいですよね。
しかし!デメリットもあります。
こんなことを言っては何ですが、工房は主催者のカラーがあります。
私は今まで2つの工房を利用させていただいたのですが、どちらも自宅から1時間ぐらいの場所にありました。
往復2時間かけ通い、工房利用代を毎月支払って、工房のカラーに染まるというのは、どうも自分には合っていないように感じました(実際、染まっていないし)
習い事として、お茶やお華は習ったお教室の流派になる、というならまだわかるのですが、絵って本来自由なものじゃないですか。
他人に自分のカラーを押しつけて、洗脳して門下生にするのはどうかと思うんですよね(何も知らない若い人の場合、人生を食われて潰されてしまいます)
私の場合、技法は既に大学で一通りやっているから、特に習うこともなく、ただ作品を作る設備として通っていたのです。
それなのに、利用されたり、お金を盛って請求されたり、鬱憤晴らしに貶められたりするのは割に合わないですよね。
そんな人の一味だと思われると、自分が損をしてしまいます。
東京だと人と距離を取ることが簡単でも、田舎ではそうはいきません。
関わりたくない人ともずっと関わらなくてはいけません。
全然親しくない近所のオバサンにズケズケと「まだ結婚してないの?」と訊かれ、内心は「はぁ?」と思っていても、笑顔で「ご縁がなくて~」とかわしたら、翌日には言いふらされています。
↑これはまだマシな例えで、もっとひどいことは沢山あります。
みんな、デリカシーがなさすぎるんですよね。
いきなり、マジック持ってきて似顔絵描いてと言ってきたり。
しかも、そういうことを「あなたの才能を生かしてあげてるの!ほら、嬉しいでしょ」みたいな雰囲気でやってくるんですよ・・・。
スローライフだのロハスだの恰好いいことを言ってみても、田舎の人間関係に耐えてこそのカントリー娘なのです(意味不明。いや、なんとなく言いたいことはわかりますよね?)
Uターンして、カントリー娘になった私ですが、田舎の工房はちょっと無理でした。
プレス機を手に入れた喜びを書こうと思っていたのに、田舎の人間関係の愚痴になってしまいました。
しかし、プレス機が置ける場所が見つかるのは田舎暮らしのいい所ですよね。
プレス機は千葉にお住いの素敵な作家さんから安く譲っていただきました。
そんな長い旅をしてきたプレス機でいただいた方に恥じぬよう沢山刷ろうと思います!

美のミューズ

去年、応募していたスペインのカダケス国際版画展に入選していて、カタログが送られてきました。

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カダケスはサルバドール・ダリがガラと晩年に過ごした場所です。
ダリが過ごした屋根の上に卵が乗っている家は当時のまま残されているそうです。
ガラはダリにとって、創作のインスピレーションを与えてくれる女神であり、生活を管理してくれるパートナーでもありました。
子どものようなアーティストの手綱を引いて、才能を開花させる手助けをするなんて、凄いですよね。
そういう女性が欲しい、と思っている男の人って多いかもしれません。ミュージシャンとか。
まぁ、ダリぐらい才能がないと誰もついて行けないと思うけど・・・。
ダリはそれぐらい天才なんだと思います。

私は浪人中に大規模なダリ展で初期から作品を観て「この人が同じ予備校にいたら、全員潰される」と思いました。
芸大で、同級生に一人ズバ抜けて才能がある人がいると、周りの生徒がやる気をなくして学校に来なくなったりする、という話を聞いた所為かもしれません。
そういう人って、「自分よりデッサンがうまい」というレベルではなく(描けて当たり前の世界なので)、作家として既にもう確立されているような気がします。
ダリの作品はそんなに好みじゃないんですが、それでも圧倒されました。
それは偏執狂的に徹底描写されているのと「一度観たら忘れられない」というインパクトの強さによるものかもしれません。
「アンダルシアの犬」というトラウマをテーマにした映像作品も観たのですが、19の時に観て、未だにトラウマです。
おそるべし、ダリ。

mini print internacional de cadaques